豪州中東部クーパーベイスンのムーンバでe-メタンの製造・輸出のPre-FEEDを開始

2030年以降に年間約13万トン(都市ガス約1億8,000万m3分)以上のe-メタン製造・輸出を目指す

 東京ガスと大阪ガス子会社のOsaka Gas Australia Pty Ltd、東邦ガス、豪州エネルギー企業Santos Ltd(以下「サントス社」)子会社のSantos Ventures Pty Ltdの4社は、豪州中東部のクーパーベイスンのムーンバにおけるe-methane*1(以下「e-メタン」)の製造と日本への輸出プロジェクトの詳細検討(Pre-FEED)実施に関する覚書を締結した。

 本詳細検討は、2025年3月までの期間に技術や制度、商務に関する検討を4社共同で実施し、2030年以降に年間約13万トン(都市ガス約1億8,000万m3分)以上のe-メタンを製造・日本に輸出することを目指す。検討にあたり、経済産業省の「令和6年度 資源国脱炭素化・エネルギー転換技術等支援事業費補助金」*2を活用する。

プロジェクトのイメージ図
ムーンバの位置図と日本への輸出のイメージ
ムーンバの位置図と日本への輸出イメージ

*1:グリーン水素等の非化石エネルギー源を原料として製造された合成メタン
*2:資源国における化石燃料産業等の基盤施設・設備の脱炭素化・低炭素化に係る取り組みや、水素、アンモニア、バイオ燃料をはじめとする産業の脱炭素化・低炭素化に資する燃料分野にかかる日本の有する先端技術の移転に係る取り組みの調査・研究等を実施する事業を対象
令和6年度「資源国脱炭素化・エネルギー転換技術等支援事業費補助金」に係る補助事業者の一次公募について|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)
*3 二酸化炭素(CO2)と水素(H2)の反応により、都市ガスの主成分となるメタン(CH4)を合成する技術。

本プロジェクトの概要

関係各社の概要

サントス社

社名Santos Ltd
代表者名Kevin Gallagher
設立1954年3月
本社所在地オーストラリア サウスオーストラリア州

Santos Ventures Pty Ltd

社名Santos Ventures Pty Ltd (サントスベンチャーズ社) [サントス社 100%子会社]
代表者名Kevin Gallagher
設立2007年2月
本社所在地オーストラリア サウスオーストラリア州

大阪ガス株式会社

社名大阪ガス株式会社
代表者名藤原 正隆
設立1897年4月
本社所在地大阪府 大阪市

Osaka Gas Australia Pty Ltd

社名Osaka Gas Australia Pty Ltd [大阪ガス株式会社 100%子会社]
代表者名大塚 洋
設立2000年8月
本社所在地オーストラリア ウエストオーストラリア州

東邦ガス株式会社

社名東邦ガス株式会社
代表者名増田 信之
設立1922年6月
本社所在地愛知県 名古屋市

台湾で燃料アンモニアバリューチェーン構築

三菱重工が低炭素アンモニアを台湾で初輸入した台湾肥料と協業

MOU調印式の様子
MOU調印式の様子

 三菱重工業は、アンモニアからの肥料や化学品などの生産、販売を手掛ける台灣肥料股份有限公司(以下、台湾肥料)と、発電燃料として利用するアンモニアのバリューチェーン構築に関する初期検討を行うためのMOU(Memorandum of Understanding:覚書)を締結した。燃料アンモニアバリューチェーンの構築を通じ、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという台湾の目標に貢献することを目指す。

 台湾での燃料アンモニアバリューチェーンの基盤を構築するため、台湾肥料とともに、サプライチェーンに含まれるアンモニアの受け入れから貯蔵・ハンドリング・発電所への輸送に至るまでのサプライチェーンの必要設備や、アンモニア発電の事業性に関する検討を実施する。

 水素と窒素の化合物であるアンモニアは、水素を効率よく運ぶことができる媒体(キャリア)の1つであり、かつ燃料として直接燃焼することも可能。燃料としてのアンモニアはカーボンフリー燃料としての将来的な活用が見込まれており、その製造から利用までのバリューチェーン構築がカーボンニュートラル社会の実現に大きく寄与することが期待される。

 2050年までのカーボンニュートラル社会の実現を表明している台湾では、低炭素燃料の導入が重要な役割を果たしている。台湾肥料は、2023年6月に低炭素アンモニア(注1)を台湾で初めて輸入し、2023年10月にはエネルギー供給事業への参入を表明するなど、ブルーアンモニア(注2)やグリーンアンモニア(注3)の台湾での燃料利用の普及を目指す。

 三菱重工グループは、2040年のカーボンニュートラル達成に向け、エネルギー供給側で脱炭素を目指す「エナジートランジション」に戦略的に取り組んでいる。今回の台湾肥料との協業を通じ、台湾における燃料アンモニアサプライチェーンの構築に貢献し、発電分野をはじめとする産業の脱炭素需要に応えていくとともに、持続可能なカーボンニュートラル社会の実現へ貢献していくとしている。

(注1)製造過程で発生するCO2を分離・回収するなど、サプライチェーンとしてCO2排出量を抑制したアンモニアを指す。
(注2)CO2回収を活用した化石燃料由来の水素(ブルー水素)を利用して製造したアンモニアを指す。
(注3)再生エネルギー電力、水、空気を原料とし、製造時にCO2を排出しないプロセスで製造したアンモニアを指す。

台湾肥料について

 台湾肥料は、1936年5月1日に設立された、台湾台北市南港区に本社がある台湾で最大の肥料生産企業。温室効果ガスの削減と2050年のネットゼロ排出政策に向け、経済、環境、社会の3つの側面で優れた成果を上げるため、5つの主要なクリーンエネルギー事業を積極的に推進していいる。詳細は、https://www.taifer.com.tw/を参照。

東京都江東区青海の山九(株)お台場輸出入センターで、燃料電池フォークリフトのトライアル利用開始

鈴木商館が水素充填設備を提供

 東京都江東区青海の山九(株)お台場輸出入センターで、燃料電池フォークリフト(FCFL)をトライアル利用する支援事業が開始されました。FCFLへ水素を充填する設備は鈴木商館が提供します。

燃料電池フォークリフトへの水素充填
燃料電池フォークリフトへの水素充填
鈴木商館が供給する水素充填用の設備

 山九(株)お台場輸出入センターでは、8月2日から9月30日まで2台のFCFLがコンテナ内の荷物運搬に利用されます。東京都はトライアル利用により車両性能の体験や、導入効果の検証等を実施し、今後、都内へのFCFL導入を促進するとしています。

 東京都は、エネルギーの安定供給の確保や脱炭素化に向けた取組として、都内における水素エネルギーの需要拡大・早期社会実装化を目指しています。水素燃料電池で発電した電気で稼働するFCFLは、利用時に水しか排出しないため、CO2の削減及び、作業環境の改善に役立ちます。また、短時間での充填が可能なため、長時間稼働する現場での利用に適しており、FCFLの導入による物流業界等の脱炭素化や水素利用の拡大が期待されています。

日本呼吸器学会学術講演会が東京国際フォーラムで開催されています

日本呼吸器障害者情報センター(J-Breath)が参加

 第63回日本呼吸器学会学術講演会が、4月28日(金)~30日(日)まで、東京国際フォーラムで開催されています。ホールEのポスター会場では、商業展示や関連書籍の販売が行われていました。

第63回日本呼吸器学会学術講演会
第63回日本呼吸器学会学術講演会

 医療ガス関連では、日本呼吸器障害者情報センター(J-Breath)や日本産業・医療ガス協会(JIMGA)のほか、エア・ウォーター、小池メディカル、アイ・エム・アイ、帝人ファーマ、フクダ電子、星医療酸器などが出展しました。

日本呼吸器障害者情報センター(J-Breath)
日本呼吸器障害者情報センター(J-Breath)の皆さん
日本産業・医療ガス協会の出展ブース
日本産業・医療ガス協会の出展ブース