2028年以降の国際間大規模液化CO2海上輸送の実現で、液化CO2輸送船の標準化に向けた共同検討を開始

アンモニア燃料等脱炭素技術を活用した新燃料船についての共同検討も視野

 川崎汽船、商船三井、日本郵船の3社は、三菱重工グループの三菱造船、今治造船、ジャパン マリンユナイテッド、ならびに今治造船とJMUの共同営業設計会社である日本シップヤードと、液化CO2輸送船(LCO2輸送船)の標準仕様・標準船型確立に向けた共同検討に着手した。

 国内で回収したCO2を貯留地に向け海上輸送する各種CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)プロジェクトにおいては、今後、LCO2輸送船の需要拡大が見込まれることから、本邦内で安定的にLCO2輸送船を建造、供給し、CCSバリューチェーンの実現と経済性向上を図る必要がある。このため、上記7社はLCO2輸送船の標準仕様・標準船型の確立や、建造サプライチェーンの確立が重要な課題であるとの共通認識の下、共同検討を行うことになったもの。

 本検討は、LCO2輸送船を対象に進め、国内の他造船所での建造も可能にすることを目指す。また更なる展開として、LCO2輸送船のみならず実用化が期待される脱炭素技術(アンモニア燃料等)を活用した新燃料船についても、同じ課題認識を共有する他造船所を含め、業界関係者と広く連携する枠組みの構築など、業界一丸となって脱炭素社会の更なる進展に貢献するとしている。