愛知県で簡易型充填装置による水素配送コスト低減の実証を公開

港湾でのカーボンニュートラルポート実現目指す

 愛知県は、燃料電池フォークリフト(FCFL)への水素配送コストを低減させる水素供給方法の検討のため、既存の水素ステーションを活用した水素供給実証を実施しています。11月29日には、実証が行われている愛知海運(株)流通センター(海部郡飛島村東浜2丁目1番 1 0)で、大村秀章愛知県知事の立会いのもと、実証の様子を報道機関向けに公開し、FCFLの導入・普及をPRしました。

燃料電池フォークリフト(左)と簡易型水素充填装置(中)、水素貯蔵装置(右)
燃料電池フォークリフト(左)と簡易型水素充填装置(中)、水素貯蔵装置(右)

 これまでに愛知県では、2020年度から2022年度までFCFLへの水素の供給方法に係る課題解決のための実証を行いました。その結果、簡易型水素充填装置等を用いて水素を配送することで水素充填施設を所有していない企業がFCFLを運用できる普及モデルを確立することができたが、事業化に向けては、配送コストの低減が必要とされています。

高圧ガス保安法改正後の事業化のイメージ

 実証が行われたのは県内で物流事業を行う東海協和(株)と愛知海運(株)の2社で、11月1日~2日と11月24日~29日の2回、土日を除く計6日間にわたり実施されました。FCFLを実証参加企業へ貸し出すとともに、簡易型水素充填装置(ベルステーションMINI)と水素貯蔵装置を現場に配送し、FCFLに水素を充填しました。

 簡易型水素充填装置の「ベルステーションMINI」は、産業ガスの製造・販売を行う(株)鈴木商館(本社:東京都板橋区)が開発したもので、高圧ガス容器やカードル(高圧ガス容器の集合体)など従来の高圧ガス容器から圧力による差圧で充填するため、圧縮機や蓄圧器などが不要となり通常の充填設備に比べて低いコストで導入が可能となります。(※参照先URL:https://www.suzukishokan.co.jp/suiso/

 また、水素を運ぶ水素貯蔵装置は、燃料電池自動車MIRAIで採用している軽量で水素貯蔵量が高い樹脂製タンクを4本使用して一体化したもの。70MPaの高圧貯蔵技術と組み合わせて輸送に使用した場合、従来の金属製カードルよりも軽量で4倍の高い水素輸送効率が実現可能となります。(※参照先URL:https://www.toyota.co.jp/fuelcells/jp/pdf/pdf3_202303.pdf

 愛知県では、実証場所を港湾としたことで「カーボンニュートラルポート」の実現に向けて、港湾で稼働する機器が燃料電池化した際の水素供給の参考事例とするとしています。また、実証の取組内容を広く一般に公開し、今回のような簡便な方法で産業車両への水素供給を行えることが認知されれば、燃料電池トーイングトラクターや燃料電池トラクター、燃料電池発電機などのFC産業車両等の普及促進になるとしています。

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